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博士の異常な就職。または私は如何にして大学を辞め「インハウスエディター」になったか。

「いずれ、どんな企業も1人は編集者を採用することになると思います。」

2年前、そんな書き出しから自分の仕事について紹介する記事を書きました。

この記事を書いたのは、自分がウォンテッドリーに入社して間もない頃のこと。2018年にD&E(Design & Editorial)Squadというクリエイティブ部署に異動になってからは、 インハウスエディター(事業会社に所属する編集者)として自分が携わっている業務領域も大きくアップデートされました。

Wantedly Blogを通じた採用広報コンテンツの更新も自分が担当している業務のひとつですが、「ここらで自分自身の仕事についても発信してみよう」と思い立った矢先、思考が現在から過去へと大きく遡っていきました。その結果、以下の文章では当初の予定を大きく脱線して、かなりパーソナルな内容について語っています。ただし、後に述べる通り、それもインハウスエディターとしての自分の仕事を伝える上では避けられないことだったと思います。

すべてを書き終えた後、「博士の異常な就職」というタイトルをつけました。本当のところを言えば、僕はPhDを取らずして博士課程を飛び出しているため適切な言葉選びではないのですが、この語の並びにたまらない親しみを感じたのでそのままにして公開することにします。

「魂のよろこぶ仕事をしなさい。」

これは、30歳で東京大学の博士課程を中退し、就職活動を始めることになった僕に指導教官がかけてくれた言葉です。

文学研究者として際立った業績を残せていたわけではなかった自分にとっても、アカデミアを去るということは一世一代の決断でした。未完の研究プロジェクトに対する未練もありましたし、何よりもちゃらんぽらんな若者だった自分に多少なりとも考える力を授けてくれた「大学」という環境に、多大な恩義と愛着を感じていたからです。

30歳にして初めての就職活動。決断の後押しをしてくれた指導教官や研究室の同期のためにも、なんとしてでも大学の外で「魂のよろこぶ仕事」を見つけたいと思いました。ただし、社会人としての元手はゼロ。唯一頼れそうな資産といえば、文筆家としての自負ぐらいのものでした。

案の定、ナビサイト頼りの就職活動は開始早々にして暗礁に乗り上げます。30歳の文学研究者が、かつて大学で教えていたような年齢の学生たちと一緒にリクルートスーツを着てグループ面接を受けているわけですから、その「場違い感」は自分でもひしひしと感じることができました。 どう考えても僕は、新卒一括採用というシステムからすでにこぼれ落ちてしまっていた人間だったのです。

「インターネットはなくならない。」

転機が訪れたのは、大手ネット企業で働くエンジニアの先輩と食事をした際。その先輩は、僕が大学の外の世界に対して感じていた戸惑いを一蹴するようにこんなことを言いました。

「大学という古いシステムの、しかも英文学研究なんていうニッチなジャンルが、自分たちの目が黒いうちにきれいサッパリなくなったとしても、それは何もおかしなことじゃない。だけど、インターネットはなくならないからね。」

先輩の口調には文系大学院生をバカにするような調子も滲んでいましたが、自分にとってそれはキャリアの可能性を示す、重大なヒントとなる言葉でした。「ならば、自分はインターネットで文章を書けばいいのだ。」 大げさに思われるかもしれませんが、就活迷子になりかけていた自分にとってそれは、天啓を受けたとも言える瞬間だったのです。

そんな自分がキャリア選択のコンパスとしてWantedly(現 Wantedly Visit)と出会ったこと、そしてファーストキャリアとしてWeb編集者の道を選んだことは、極めて「正解」に近い選択であったと今でも思います。自分のライティングスキルを買い叩くことなく、正当に評価してくれる会社と出会えたことも幸運でした。Wantedly経由で話を聞きにいった面談の場で、同世代のCOOから「加勢さんみたいな変態を待っていた」の一言を聞いた時、「ああ、この言葉を聞きたくて自分は大学を飛び出したのだな……」と深く、深く感動したことを今でも覚えています。

「オタマジャクシに翼は生えるか。」

編集者としてのキャリアを開始したその日に「加勢 犬」というビジネスネームを名乗ることになった僕は、「Webの読み物を作る」という仕事に面白いようにハマっていきました。

表現の自由度が高く、反響がダイレクトにわかる。時にクライアントと意見を戦わせながら作った企画が、SNS上で拡散されていく。コンテンツ編集にまつわるすべてにのめり込むうちに、担当するメディアの数字もぐんぐんと上がっていきました。そうした成果が認められてか、入社1年後にはマネージャーに昇格することに。

しかし、大好きな会社でマネジメントを任せられたという喜びが長続きすることはありませんでした。社会人になって1年足らずの自分が、若いメンバーの多い環境で「卵をオタマジャクシに孵化させ、オタマジャクシを一人前のカエルに育てる」ための"教育者"としての役割を引き受けていることに、次第に違和感を感じるようになったのです。

メディアビジネスにたくさんの課題が立ちはだかる時代において、編集者が自らの価値を高めていくためには「ある日突然、オタマジャクシに翼が生える」ような〈価値の刷新/ディスラプション〉が求められると考えています。そしてそのことは、新しいテクノロジーや、新しいプラットフォームとの出会いを通じてしか起こり得ません。ならば、それを起こしうる技術とプロダクトを持っている企業で、編集者にとっての全く新しい領域を自ら開拓したいと思うようになりました。

「これが自分の探していたチームではなかったか?」

その後、紆余曲折を経て改めて転職の機会をうかがうようになった自分に、ウォンテッドリーからスカウトが届きます。Wantedly Peopleのコンテンツタイムラインを盛り上げるために、メディア編集の経験者を探していたのです。正直、アプリの世界は分からないことだらけだったので、自分が貢献できるかどうかは未知数。他の企業だったら、スルーしていたかもしれません。

とはいえウォンテッドリーは、30歳で初めて就職活動に乗り出した自分を救ってくれたプロダクトを作った会社。「とりあえず、お礼だけは言いにいこう」と話を聞きに行った結果、Wantedly Peopleを盛り上げるべく日々奮闘しているメンバーたちの熱気にみるみる感染してしまいました。エンジニア、デザイナー、マーケ、セールス…… それぞれが異なる才能を持ち寄った集団の中で、自分が経験するであろう未知のあれこれを想像するだけで、ゾクゾクするような興奮を覚えました。

そして僕は、ウォンテッドリーのインハウスエディターになりました。これもまた、「話を聞きにいく」という体験に人生を変えられた瞬間です。 もっともっと、この体験を広げていきたいと思っています。

「法人格の“声”を編む。」

さて、ここまでが僕にとっての「ウォンテッドリー前史」なのですが、こうして振り返ってみればその物語の縦軸に自分自身の人生があるのに対し、横軸にはウォンテッドリーが度々顔を出していたような気がします。

そもそも、企業ブランドとパーソナルヒストリーが交差するような瞬間がなければ、インハウスエディターというキャリアを選択することは難しいのではないかというのが僕の考えです。何故ならば、「ブランドへの愛着」こそが事業会社に所属しながら言葉を編むという作業の原動力になるからです。

インハウスエディターとは、プロダクトを構成するたくさんのメッセージや、事業と世の中を繋ぐストーリー、そしてメンバーたちの努力の結晶を言葉に変えて世の中にPublishする存在。いわば、「法人格の声」を作る仕事であるとも言えるでしょう。

その声が自社の潜在的候補者へのアプローチに関わるものであれば、それは「採用広報」と呼ばれるでしょう。プロダクトを必要としている企業/ユーザーへの呼びかけなのであれば「コンテンツマーケティング」と呼ばれるだろうし、プロダクト内のテキストコミュニケーションに関わるものであれば、それは「UXライティング」と呼ばれるでしょう。

これらの「声」を生み出す作業をアウトソースせず内製化する価値の根源とは何か? それはやはり、言葉を編む人が対象に抱いている「愛着」であると僕は信じています。そうして愛着たっぷりに編まれたブランドストーリーが、いつか他の誰かの人生と交差する。そうすることで、その企業のもつ文化圏が、ますます豊かなものになっていく......。

34歳の自分にとって、どうやらそれが「魂のよろこぶ仕事」であるようです。それにこの仕事、とびきり「Wantedlyっぽい仕事」だと思いませんか?

Wantedly, Inc.'s job postings
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