国内最大手のWEBサービス会社でキャリアをスタート。その後はベンチャーでデザインのみならず、開発チームのマネジメントまで手掛けるなど、まだ 20 代ながら密度の濃いキャリアを歩んできた bitFlyer デザインチームリーダー兼プロダクトマネージャーの外崎 匠さん。彼が bitFlyer を選んだ理由は何か。仮想通貨の世界、そして今の bitFlyer にジョインする醍醐味について聞きました。
新卒から一貫して「ライフスタイル」に関わり続けてきた
―― 本日は宜しくお願い致します。まずは外崎さんのこれまでのキャリアについて、教えていただけますか?
新卒で入社した Yahoo! JAPAN で、デザイナーとしてのキャリアをスタートさせました。携わったプロジェクトは幅広く、Yahoo!メールの改善だったり、WEBやアプリ画面の再構築、全社 UI ガイドライン室という部署で UI デザインを突き詰めていた時期もあります。WEB や IT サービスの基礎、そしてデザイナーとしてのイロハを学ばせてもらいました。
―― 手掛けるプロジェクトも幅広く、やりがいもありそうですが、そこから転職されたわけですよね。なぜ転職を考えるようになったのでしょうか。
非常に恵まれた良い会社でしたが、経験を積むうちに、よりデザインドリブンな事業に携わりたいという想いが強くなりました。よりユーザーの事を考えられる環境で、デザイナーとして上流工程から携わったり、ビジネスデベロップメントに関わってみたり…そんな会社を探すうちに出会ったのが、Retty でした。
デザイナーの裁量が大きい点に加えて、飲食業という定性的なアプローチを重視する業態が、自分の考えるデザイナー像にすごくマッチしていて。ベンチャーらしく社長のすぐ近くで働けたことも含めて、良い経験だったと思います。みんなの言葉をプロトタイピングするという感覚は、ビジネスにデザインで貢献できているとすごく実感できましたし。
―― スマートフォンアプリのマネジメントも担当されたと聞きました。
初めて経験することばかりでした。今でも「色んな方にご迷惑をおかけしてすいません…」という気持ちでいっぱいです。自分よりほぼ全員が年上のチーム構成で、至らない点含めて叱咤激励も沢山もらって。その中で、チームをみんなで動かしていく経験を積ませてもらいました。Retty にいたのは約2年間でしたが、一社目と変わらず濃密な経験だったと思います。
ーー そこから今度はFashionTechのスタートアップに転職されていますね。
オンラインとオフラインの境界線を曖昧にする、新しい購買体験を提案・発信しているスタイラ―というスタートアップです。規模は Retty よりもさらに小さく、プロダクトマネージャー兼クリエイティブディレクターとして、デザインも開発も見ることになりました。
これまでのキャリアを振り返ってみると、自分は「ライフスタイル」というジャンルが好きなんだな、と思います。ニュース、ご飯、ファッション、そして今の bitFlyer も含めて、何かしらの形で衣食住に関わっている。デザインの力で、みんなの暮らしをほんの少しでも、より良い方向に変えていきたいという潜在的な欲求があるのかもしれません。
デザインドリブンな組織を再構築。ユーザー視点に徹底的にこだわる
ーー ちょうど話に出たように、現在は bitFlyer に籍を置く外崎さんですが、bitFlyer を次のステージに選んだのはどういった理由があったのでしょうか。
新しいチームを立ち上げるという経験が生かせることに加えて、海外で働けるという点に強く惹かれました。Yahoo! 時代にも米国本社に足を運んだ機会があったのですが、当時から「いずれは海外で働きたい」という想いがあって。そんな中、bitFlyer EU が初のプロダクトマネージャーを募集していると聞き、興味を持ってエントリー。2019 年 2 月に bitFlyer に入社しました。
ーー 現在担当している業務はどういったものなのでしょうか。
やっている事は大きく 2 つあります。まずは bitFlyer EU、そして bitFlyer USのプロダクトマネジメントです。先日、EU と US でそれぞれ仮想通貨販売所のリリースがありましたが、そのプロダクト面のとりまとめなどを担当しました。そしてもう 1 つがデザインチームのマネジメントです。
きちんとビジネスを理解し、優先度をつけ、経営により大きなインパクトを与えられる施策をやりぬくというコンセプトのもと、デザインカルチャーをゼロから再構築しようとしています。現在の bitFlyer グループが提供しているサービスには、まだまだ UI/UX の観点で改善できる点が多く残されています。そうした課題を 1 つずつ解消していくことが、自分たちデザイナーチームの役割です。
そして今後は「デザイナーってこんな事もできるんだよ!」というアピールを、ビジネスサイドのメンバーにもより積極的に発信していこうとしています。「良いデザインとは何か?」を言語化、可視化することで、bitFlyer におけるデザインの価値、存在意義を高めていく。ユーザーの声を反映したデザインドリブンなサービス設計にもより積極的に着手できるようになりましたし、ここから新しいサービス創出にもつなげられるのでは?と今からワクワクしています。
……あとは採用ですね。頑張っています(笑)
―― アピールありがとうございます(笑)
0→1を生み出すにはこれ以上ない、チャレンジングな職場
―― さまざまなメディアでの露出などもあり、ビットコインをはじめ、仮想通貨は広く認知される存在となりました。一方で、「仮想通貨はまだ投機目的でしか使えない」という声もあります。外崎さんから見る、これから仮想通貨業界にチャレンジする魅力とはどんなものでしょうか?
仮想通貨の認知度は確かに高くなりましたが、実際に仮想通貨を触ってみたいと思っている方、さらに既に仮想通貨でトレードした経験のある方となると、まだごく一部の方しか触れていないものだと分かります。それこそ仮想通貨をライフスタイルのなかに溶け込ませていくには、もっと興味を引くようなサービスや仕組みが必要ですし、タッチポイントも増やしていかないといけない。そして、この領域こそ、デザイナーの力が発揮できるステージだと思います。
魅力的なビジネスとユーザーをくっつけるのは、優れた UI/UX の役割です。現在は QR コード決済を軸とした「〇〇Pay」サービスが乱立する、FinTech 群雄割拠の時代に突入していますが、仮想通貨サービスにはより多くの課題があり、だからこそ歯ごたえもあると思います。
―― 外崎さんは bitFlyer に入社する前から仮想通貨に強い興味を抱いていたのでしょうか。
興味度合いでいうと、人並みだったと思いますし、専門的な知識があったわけでもありません。仮想通貨への興味がなければ厳しいと思いますが、知識面は入社してから身に着けるだけで十分だと思います。
それよりも、ユーザーの事を第一に考え抜けるか、という点が大切です。私自身、金融サービスに携わったのは bitFlyer が初めてですし、チームのデザイナーを見ても、金融サービスのデザイン経験者は一人もいません。全員が異業種出身ですので「bitFlyer に興味はあるけど…」と尻込みしている方にもぜひ「まずはエントリーしてください!」と声を大にして伝えたいですね。
―― 最後に、改めてこの記事を読んでいる皆さんにメッセージがあればお願いします!
ユーザー数や取引高といったビジネスの規模に対して、会社やチームの規模はまだまだ小さく、チャンスの数はとにかく多いはずです。デザインドリブンな組織風土もできあがりつつあり、ビジネスサイド含めて「とにかくユーザーの事を第一に考えよう」という方針なので、真にユーザーにとって価値あるサービスを提供できる土壌はあります。
仮想通貨の世界には、bitFlyer の社員ですら、どのように進化し、発展を遂げていくか、イメージしきれないカオスさがあります。そうした状況をむしろポジティブに捉え、ゼロから新しいスタンダードを作り出すことを楽しめる方に、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。