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目指すのは、生涯現役。オルトプラスが考える「ゲームクリエイター人生」とは。

株式会社オルトプラス
執行役員 兼 アライアンス事業部 部長
宮田 大介

現在アライアンス事業部では、クリエイターが主体となるキャリア形成方法について、多角的なアプローチを試みています。ゲーム業界全体のレベルを底上げできるようなコミュニティの運営や、企業の枠を越えたクリエイターのプロジェクトアサインなど、これらは従来のクリエイターの働き方とは異なった新しい視点の取り組みです。このような取り組みが始まったきっかけを、業界の変化や課題など交えて本日お話しいただきます!

モバイルゲーム開発の大規模化と分業化

ー昨今のゲーム開発は、以前と比べどのように変化したのでしょうか?

ゲーム業界の皆さんが感じていらっしゃる通り、10年ほど前に比べて1つのタイトルを開発する期間や人数規模がすごく大きくなっています。

元々コンシューマー業界は長いスパンで開発を行っていたのですが、それに対してモバイルゲームはコンパクトなチームでゲームが作れるという選択肢の中にありました。

しかしながら、現在モバイルゲーム市場自体が大規模化しており、開発期間に1、2年費やすのも一般的になってきました。また期間だけではなく、タイトルによっては100名を超えるチームも増え、開発や運営に関わる人数も大規模化しているのが現状です。

その背景に大きくあるのが、ゲームクオリティの著しい向上です。デバイスがガラケーからスマートフォンに変化し、現在のスマートフォンの最新機種では、家庭用ゲーム機に迫る表現が可能になっています。

デバイスの進化に合わせてリッチ化したタイトルが増えることで、お客様の目は肥えてきます。そうすると、過去と同じようなクオリティラインが通用しにくくなってしまいます。自然と業界全体のクオリティラインが引き上がり、大規模プロジェクトが増えてしまうんです。


ー開発が大規模化することで、クリエイターの働き方はどのように変化するのでしょうか?

大規模化するほど、いちクリエイターが携わる領域が分業化、つまり細かい部分にフォーカスされがちになります。

例えば、大規模なタイトルの「背景の一部のみ制作する」であったり、「プランニングの中で細かい一部分のパラメータ設定のみを調整する」クリエイターも出てきます。もちろんゲーム開発の中でこれらは大事な部分です。しかし、ゲーム全体やコアな部分には関わりにくくなります。

モバイルゲーム黎明期の10年ほど前は、4~5人の開発チームも珍しくなく、エンジニアをやりながら企画に入ったり、デザインを手伝ったりすることもできました。そもそもデバイスで可能なことが限られていたので、専門職ではなくてもトライができたんです。

しかしデバイスで可能なことが拡張していく中で、一人のクリエイターが何でもできるというわけにもいかなくなり、それぞれの専門性を強めていくことが必要になりました。


T字型人材の需要が高まる一方で、行き詰まるキャリア

ー分業化の流れによって、クリエイターに対してどのような課題が出てきましたか?

クリエイターとして大規模開発で学べることはたくさんありますし、そういった中でしか経験できないものもあります。それこそ専門性があり、より特化したスキルを身に着けることが可能となり、自分の強みを縦に伸ばしていけるメリットがあります。

ただ、一直線に伸ばせる一方で、スキルの幅を広げることが難しくなる場合があります。ゲーム業界に限らず、どこの業界でも良く求められているのがT字型人材です。専門的な知識に強みを持ちつつも、幅広いスキルを持っていることで選択肢が増え、長く活躍することができるのです。

特に進化の早いゲーム業界は、スキルの幅を広げることは生涯活躍しつづけるために必要だと思っています。

しかしながら、多くの大規模な開発現場では生産性を考慮して分業化を進めるので、専門分野外の業務に手を伸ばすことが難しい現実があります。そうすると、スキルの幅を広げるということは個人に委ねられ、専門分野以外にキャリアの幅を広げにくく、制作環境の大きな変化が起きた際にキャリアが行き詰まってしまうことも発生します。

また、「クリエイターとしてのやりがい」について、壁に当たる方もいます。専業特化することで見えてくるやりがいや楽しさももちろんありますが、ゲームのコアな部分に関わることが難しくなっているので、自分が作りたいゲームを作っている体感は薄くなりがちです。

少人数チームであれば全員で意見を出し合って制作することも多いので、自分が作ったゲームという体感が得やすく、ゲーム全体に対するユーザーのフィードバックを自分事にしやすかったと思います。

自身が関わるのが大規模開発の中の狭い領域の一部分になるほど、ゲーム全体を自分自身の作品とは感じにくくなってしまうことがあります。クリエイターとしてのやりがいをどこに感じるか、ということが課題になってきます。


ーキャリアが行き詰ったクリエイターは選択肢がないのでしょうか。

スキル幅を広げるという点では、ご自身で自己学習をされていらっしゃる方もいると思います。

ただ、日々の忙しい中でどこまでできるのか。自分の生活がある中で、自己学習だけで業務で通用するレベルに引き上げるのは簡単なことではありません。


クリエイターが長く活躍できる環境とは

ー今、クリエイターに必要なことは何でしょうか?

まずは、スキルの幅を横に広げることも含めて、クリエイターが学ぶための機会や場所の充実です。

すべての会社が教育制度を充実させることができれば一番良いのですが、教育機会を提供するには、資本も人員も必要になります。

業務が専門特化し、多様化している現代において、すべての職種に対してカリキュラムを提供するとなると、教育の場を用意する側はどのくらいの時間や工数をかければいいでしょうか。実現できる会社もあるかもしれませんが、多くの企業では限界があります。弊社も例外ではなく、自社だけで網羅的な教育を整備するのは困難でした。

私たちは、これを一社だけの問題ではなく、ゲーム業界全体で考えるべきだと思っています。業界全体の教育の質を上げるには、各社が連帯して強みを持った人が相互に教えあう環境が不可欠と考えています。

クリエイターに対する価値観を共感してくれる人が集まり、一緒に学びの環境を広げてくれることを、オルトプラスでは模索しています。実際にクリエイターに向けたセミナーの開催やゲームコンテストなど、この考えに賛同いただいた企業様と合同で多くの企画をすでに成功させています。

▼ゲームクリエイターを中心とした、学びの場を発信するゲームクリエイターズギルド


ー教育以外の面では、いかがでしょうか。

どのようにスキルの幅を広げると良いのか、キャリアの方向性を考えることも大切です。

一つの会社だけ見ていると、周りの環境が見えにくくなります。第三者の視点を交えてキャリアの方向性を考えることで、「こんな道が進みたかったんだ」という視点がより明確になってきます。

例えばオルトプラスでは、「パーソナル人事」という制度を取り入れています。先ほどお話しした教育面でもそうですが、私たちは様々なゲーム会社やクリエイターとお話しをする中で、キャリアに対する情報を日々集め研究しています。自社に限らず、今までの諸先輩が通ってきた道や、実はこんなキャリアの進み方がある、など新しい視点をお伝えすることができます。

ゲーム業界での人事経験の深いキャリアコンサルタントの資格を持つメンバーを中心に、ゲームクリエイターとして個々の生き方に沿ってどのようなキャリア形成が良いのかを常々模索しています。

また会社の垣根を越えて、プロジェクトベースの働き方でクリエイターのキャリアを考えています。会社主体でのプロジェクトアサインはなく、クリエイターのキャリア主体でどのようなプロジェクトを経験していくと、なりたいキャリアに近づくのかということを一緒に考えることができます。

▼個人のキャリアに寄り添うパーソナル人事


目指すは生涯現役。

ーこのような取り組みの先にある、クリエイターへの想いをお聞かせください。

ゲーム市場の変化によって、クリエイターの働き方はより高い専門性が求められる環境になってきました。しかしながら、その高い専門性の要求と同時にあまりにも早い技術進歩の速度に、クリエイター育成の土壌が追いついているのかというと疑問符がつくところです。

今の世の中にあるエンターテインメントは、ゲームだけではありません。YouTubeや漫画の電子書籍化など、様々なエンタメが溢れています。ゲームは面白いもの、という体験が薄くなってしまったら、自然とお客様はゲームというエンターテイメント自体から離れてしまいます。

いろんな世代のお客様を楽しませる多種多様なゲームを作り続けることが、この業界を継続的に成長させるために大事なことです。そのためには、業界の底上げが必要ですし、底上げをするには多種多様なクリエイター一人ひとりの長い活躍が必要です。

だからこそ、私たちはクリエイターの皆さんに生涯現役であってほしいと思っています。

大きな企業が一つの大作ゲームを作るだけではなく、様々なクリエイターがゲームを作り続けることができ、世の中に発信できる環境が増えてくると、さらにゲーム市場全体が活性化されていくのではないでしょうか。そのような世の中をめざして日々活動をしています。

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