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【UX】ユーザーリサーチの考えかたは料理にも使える?料理に隠れた構造から新しいボロネーゼを作る

ローストビーフとアジの干物の共通点は?料理には隠れた構造がある

こんにちは、UXデザイナーの林です。UXデザインの業務には、ユーザーを様々な視点から理解するために、リサーチから集めた体験をモデル化することがあるかと思います。実はこのモデル化のプロセスが、料理にも当てはめることができることを知りました。

モデル化が料理にも適用できると知ったのは、玉村豊男 著「料理の四面体」を読んで。料理法とは無数のバリエーションがあるようだけど、実は限られたパターンにモデル化できるという内容です。

そこで今回は、料理をモデル化することで新しい料理を作ることができるのか、美味しいものを食べたい一心で試してみたいと思います。

料理というプロセスを可視化した「料理の四面体」というモデル

著者は様々な食体験から料理というプロセスを、火、空気、水、油、からなる4つの基本要素が関係しあって生まれるものとしています。

「料理の四面体モデル」は、その基本要素を4つの頂点を持つ四面体で表現したものです。底面の三角形の頂点にはそれぞれ、空気、水、油を表し、それらひとつひとつの頂点と火を表す頂点を結ぶ間のライン上に、様々な料理が存在するという考え方をしています。

料理の四面体モデル

「焼き鳥」「ローストビーフ」「アジの干物」を例に考えてみましょう。それぞれまったく違う料理法に見えますが、「料理の四面体モデル」で考えると、すべて同じ火と空気で調理する「焼き物ライン」に入ります。

炭などで直火焼きする「焼き鳥」は火の要素が強い(グリルする)ので、火の頂点に近い位置にあります。オーブンでじっくりと間接的に火を通す「ローストビーフ」は火と空気を結ぶラインの中間地点、太陽の熱で乾燥させる「ひもの」は空気の要素が強いので、より空気寄りの位置に存在します。

このように、それぞれの要素のバランスでどのラインのどの位置に存在するのかが決まるわけです。簡単にまとめると、このようになります。

  • 火と空気で調理する料理(焼き物ライン)
  • 火と水で調理する料理(煮物ライン)
  • 火と油で調理する料理(揚げ物ライン)
  • 火をまったく使わない料理(生ものの領域)

この本をよみ、こういう考え方もあるのか!と目からウロコでした。本の中では、色々な料理をこの「料理の四面体モデル」で説明したり、新しい料理を考えています。

「料理の四面体モデル」を使えば、新鮮味のある料理が色々考えられるのでは?

ユーザーリサーチでは個別の事象をモデル化して考えることで、今までにないものが生まれることがあります。料理でも同じことできたら、未知の美味しいものが食べられるに違いない。そう思い今回の企画をたてました。

今回の登場人物

CHAPTER #1

「ボロネーゼ」に隠れている構造は?

スパゲッティーニ ボロネーゼ

今回は「スパゲッティーニ ボロネーゼ」をベースに、「料理の四面体モデル」で料理のバリエーションを考えてみることにしました。ボロネーゼをベースに選んだ理由は、辻之内いわく「パスタはバリエーションが豊富で同じ構造を持っていて。その中でもシンプルなボロネーゼなら色々とアレンジしやすそう」とのことからです。方向性も決まったところで、いざ調理開始!

まずはベースとなる「ボロネーゼ」を作ってみる

ボロネーゼを作ります。トマトベースにひき肉、玉ねぎ、人参などを使ったミートソースのポピュラーなパスタです。

慣れた手つきでボロネーゼを作っていく

川北 「おいしい!ソースとパスタの一体感がある、その分具材の肉だけ外れる感じがする」
 「肉感がすごい」

ボロネーゼを「料理の四面体モデル」に当てはめた図

ミートソースとパスタの一体感が特徴でした。それにしても美味しい、辻之内シェフにお願いしてよかった。では、ボロネーゼに隠れている構造を「料理の四面体モデル」に当てはめて考えてみましょう。

パスタとソースを合わせて油で炒めているので、火と油を結ぶ「揚げ物ライン」に入ります。揚げているわけではないので、頂点の火に近いラインに位置します。ではこのボロネーゼをベースに、新しいパスタのバリエーションを作っていきましょう。



CHAPTER #2

「四面体」モデルを使って、新しいパスタを作る

一口サイズで食べやすいミニパスタ

材料は同じでも調理法が変わると、パスタがフィンガーフードに

ベースの食材と調味はボロネーゼのまま、パスタの調理法を茹でるから、ローストに変更してみました。「揚げ物ライン」から、「焼き物ライン」へ変更し、フィンガーフードとしてのミニパスタが完成しました。一口サイズでつまめるパスタは食べ方が新鮮。また食感が大きく変わったことで、同じ素材なのにまったく別物になるのも驚きでした。

パスタを型に入れ、焼いていく

「軽い食感になる。こっちは冷えているのもあって、ボロネーゼと全然ちがう感覚」
川北 「指でつまめるパスタってケータリングで出した事がないので、参考になる」「ソースとパスタを固まりで食べてるけど、一体感はなく、別物に感じる。パスタに意識がいく」

ミニパスタを「料理の四面体モデル」に当てはめた図

「ソースとパスタの一体感がない」と感じたのは、ソース部分とパスタ部分で異なるラインの調理法用いていることが影響しているのではないかと考えています。基本のボロネーゼはパスタとソースを合わせて炒めています。「揚げ物ライン」の調理法です。

一方、ミニパスタは煮たソースをローストしたパスタに載せているので、「煮物ライン」と「焼き物ライン」の2種類の調理法が混在しています。つまり、別ラインの調理法を混在させたことでソースとパスタの水分量の差が大きくなり、一体感が失われてしまったのではないかという仮説です。一体感を出すためには、ソースとパスタを合わせた状態で焼いた方がよかったのかもしれません。

さて、次はさらに離れて、ボロネーゼの概念が拡張していきます。

野菜と果物だけなんだけど、なぜかパスタっぽい。新感覚のベジパスタ

野菜をパスタ状にカットした、ベジパスタ

具材に肉を使わず野菜と果物のみ、調理法も茹でも焼きもせず生パスタにしてみました。パスタ麺を生で食べるわけにはいかないので、ズッキニーニをパスタ状にカットしたものを使用しています。ベジパスタの完成です。これはサラダじゃないかと思われますが、構成要素のベースはボロネーゼです。

ソースは今までトマトベースでしたが、トマトの代わりに趣向を変えて、同じ酸味を持つという共通点から旬のイチゴを使用しています。いままで食べたことのない料理ができました。「実はミートソースには人参も入っていたので、人参もパスタ状にする事で共通点を増やしている」と辻之内。

専用の機械でズッキーニをパスタ状にカット
ベジパスタを「料理の四面体モデル」に当てはめた図

川北 「野菜だけどパスタみたいにフォークで巻いて食べているのが不思議」「麺を食べるのは、野菜を食べるより、巻いたりすすったり、手数が多いので食べること自体を楽しめる。ヘルシーだけど満足感もある」
「千切りじゃなくて、ちゃんと麺を食べている風に感じる!」

ベジパスタは火をまったく使わないので、料理の四面体モデル上では底面の生ものの領域に入ります。ドレッシングに油を使っていないので、水と空気のライン上になります。



CHAPTER #3

個々の現象から再利用できる構造(モデル)を発見する点において、ユーザーリサーチと共通点がある

「料理の四面体」では各国の料理の体験を一度同じテーブルに並べて、そこから共通点を見出し、モデル化しています。それはユーザーリサーチで行う「個々の現象(体験)からユーザーインサイトを発見して、モデル化する」流れと同じです。

UXデザインのプロセスでは、ユーザーの体験を幅広く集め、3つの形にモデル化します。

  • どんな利用文脈のユーザーなのか(ペルソナ)
  • どういう時間軸で行動しているか(カスタマージャーニーマップ)
  • どんな価値を感じているか(価値マップ)

今回はボロネーゼを「料理の四面体モデル」に当てはめることで、ミニパスタの食感の改善案を出したり、全く別物のベジパスタを作リ出すことができました。

サービスも同様にユーザーをモデル化することで、改善施策の導出や、新たな可能性の発見をより効率よく行うことができるようになるのです。



CHAPTER #4

新しい謎が生まれ、探索は続く

野菜をフォークで巻いて食べる

麺を食べる動きが、麺を食べていると脳を錯覚させる?

ベジパスタを食べた感想の中で、「パスタみたいに巻いて食べると、麺を食べている感じがする」というのが印象的でした。あくまで仮説ですが、過去の経験上、おそらく千切りのズッキーニと人参のミックスサラダを食べても「麺を食べている」という印象は受けないのではないかと思われます。

人間は文脈に左右されやすく、かつ因果関係を無理にでも作ってしまう生き物です。フォークで巻いて食べるという行為、「これはパスタなんです」という食前のインプット、これらの要因がこの感覚が生んだのではないでしょうか。これはあくまで仮説なので、次は食材と食べる行為の関係性についてのリサーチが必要ですね。

知る→疑問が湧く→調べるを繰り返す

リサーチをすると分かること多くがありますが、それと同時に疑問も多く湧いてきます。だからこそ、リサーチは継続的に続けていくことが対象をより深く知るために必要です。A.C.O.は一度の打ち上げ花火ではなく、クライアントのパートナーとしてユーザーを理解するお手伝いをしています。リサーチに興味が湧いた方はぜひご連絡下さい!


WRITER

林 俊一(SHUNICHI HAYASHI)
UX DESIGNER

明治学院大学映像芸術学系列卒業。広告制作会社でエディトリアルデザイン、ITベンチャー企業でグラフィック・パッケージ・ウェブなど、広範なデザイン業務を経て、現在に至る。UXデザイン担当。UX/IA部所属。

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